生成AIの最新動向:特に進化した領域(2025年4〜5月)

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生成AI、こんなに進んでいたとは…。驚きのこの2ヶ月

こんにちは!6月に入り最近は雨の日も多いですが、体調はいかがですか?

世の中は相変わらず生成AIの話題で持ちきりですが、2025年春、生成AIの分野では次々と新しい発表や技術の進展がありました。日々の業務に追われていると、つい見逃してしまいがちですが、「いつの間にここまで来ていたのか」と驚かされる内容ばかりです。

本記事では、2025年4月〜5月にかけての生成AIの主な動きをまとめてみました。少しでも現状把握のお役に立てれば幸いです。

1.マルチモーダル生成モデルの実用化と高度化

1.1 Google DeepMindのVeoとImagen 4の発表

2025年5月20日、Googleは開発者カンファレンス「I/O 2025」で2つの重要なマルチモーダルモデルを発表しました:

  • Veo 3:自然言語から動画を生成できる最新モデルで、1080p解像度、最大1分間の高精細映像を生成可能。特に音声付きの動画生成に対応したことにより、広告制作、教育、コンテンツ制作業界での活用が想定されます。
  • Imagen 4:高精細な画像生成に対応し、構図やテクスチャの精度が劇的に向上。デザインやファッション、アート分野において既に試験導入が始まっています。

1.2 Google「Flow」ツールの統合

「Flow」は、上述のVeoやImagenと連携し、ユーザーが自然言語で映像コンテンツを構成・編集できるノーコード型AI制作プラットフォームです。これにより、従来映像制作に必要だった専門知識を不要とし、誰もが映像クリエイターになれる時代の到来を象徴しています。

2. LLMの高度化とエージェント化

2.1 OpenAI GPT-4.1とoシリーズの進化

  • GPT-4.1(2025年4月):トークン長上限が100万に拡大され、極めて長い文脈を一貫して処理可能になりました。これにより、法的文書や学術論文、企業ドキュメント全体を一括解析するユースケースが実用化。
  • o3 / o4-miniモデル(2025年4月中旬):これらの軽量モデルは、画像解析能力を持ち、コード解釈やマルチモーダル入力に対応。エッジデバイスでのAI処理の実現に大きく貢献しました。

2.2 Claude 4シリーズの「ツール使用」進化

Anthropicは2025年5月22日に、Claude Opus 4およびSonnet 4をリリース。最大の特徴は、以下の3点です:

  • マルチツール統合:ブラウザ、コード実行、ファイルアップロード、画像処理など複数の外部ツールと連携。
  • リアルタイム思考記録(scratchpad):プロンプト内でAIが「思考の過程」を明示しながら問題解決する仕様。
  • 長期記憶の有効化:特定のユーザーとのやり取りを継続的に学習し、カスタムアシスタント化可能。

これにより、Claude 4は事実上のAIエージェントとしての地位を確立し、企業向けワークフローへの組み込みも現実的になっています。

3. エージェント型AIの実務投入とプロダクティビティの変革

3. エージェント型AIの実務投入とプロダクティビティの変革

3.1 GitHub Copilotの「エージェントモード」導入

2025年5月、Microsoft傘下のGitHubはCopilotに「Agent Mode」を追加。これにより:

  • 開発者が複数のタスク(コード生成→テスト→ドキュメント生成)を一括でAIに依頼可能。
  • ユーザーの過去の作業履歴を踏まえてプロジェクトごとに最適な支援を提供。
  • チーム間でAI知識を共有する「チームメモリ」機能も搭載。

この機能の登場は、ソフトウェア開発現場におけるAIエージェントの常駐化を意味し、エンジニアの生産性が飛躍的に向上しています。

4. 知的財産・規制対応の具体化

4.1 米著作権局の報告書「Part III」

5月9日、米著作権局は生成AIと著作権の関係に関する第3次報告書を公表。特に以下の点が注目されました:

  • モデル訓練に使用されるデータが著作権保護対象であるかの判断基準。
  • AIが生成したコンテンツの著作権帰属に関するガイドライン草案。
  • 著作権者が明示的に「AI訓練用途の不使用」を示す手段(robots.txtの強化など)。

これにより、法的透明性の向上と業界全体のガイドライン策定が加速する見込みです。

5. まとめと展望

2025年4〜5月の2ヶ月間は、以下のような明確な進化が観測されました:

  • マルチモーダル生成の商用実装(Google Veo/Imagen + Flow)
  • LLMの長文処理・エージェント化(GPT-4.1、Claude 4)
  • 開発現場におけるエージェント型AIの定着(Copilot Agent)
  • 著作権と規制に関する実務的対応の始動(米著作権局)

これらの進展は、生成AIを「補助的存在」から「共同作業者」へと格上げする歴史的転換点となっており、2025年後半にはより高度な「自律型エージェント」の実装と社会実装が加速すると予測されます。

まとめ:生成AIとの向き合い方を考えるタイミングかもしれません

この2ヶ月を振り返るだけでも、生成AIが急速に「現場で使えるもの」へと進化していることがわかります。私たち自身も、技術の速さに驚きつつ、「どのように付き合っていくべきか」をあらためて考えさせられました。

「そろそろ自社でも何か始めたい」「まずは情報収集からしたい」——そんな方に向けて、私たちもお手伝いできることがあるかもしれません。

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